気になる症状はありませんか?
からだの健康と同じように、こころの健康にも気を配りましょう。
回復のキーワードは、早期発見!
- 頭痛、肩こり、腹痛、吐き気、眠れない、食欲がない、身体がだるい、など(身体のサイン)
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- この症状の傾向と解説
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成長期の体は、ホルモンバランスの変化などもあり、からだに様々な不快な症状が現れることがあります。また、気分が落ち込んだり、不快なストレスを長く抱えていたりといったこころの不調が、からだの症状として現れることもあります。こういった症状の背景には「本当はいやなのに無理してやっているでしょう?」とか「頑張りすぎだよ。これ以上は無理かも知れない。ちょっと休ませて。」といったメッセージが隠れているかもしれません。体力に限界があるように脳(こころ)にも限界があります。このような状態で無理を続けると、本当に精神的な病気になってしまうかもしれません。
- こんな症状もあったら要注意
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- ・症状が持続的で、強い。治療を行ってもなお、日常生活に支障があるくらいきつい。
- ・いくつかの症状が重なっている。長い期間続いている。
- ・1日のうちでも、身体症状が変わる。また、日によって身体症状が次から次に変わる。
- これらの症状から気づかれやすい病気
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- ・うつ病、身体化障害、心気症、急性ストレス反応、概日リズム障害 など
- ・過敏性腸症候群、鉄欠乏症、胃十二指腸潰瘍など
- 自分を傷つける、暴力をふるう、ゲームや携帯電話にのめり込むなど(行動のサイン)
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- この症状の傾向と解説
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思春期は、自分が何者なのか、何に向かって生きているのか思い悩む時期です。自分に自信が持てず落ち込んだり、やる気をなくしたり、何となくイライラしたりして、自分をコントロールするのが難しくなることもあります。その気持ちの不安定さを自分なりに落ち着かせたり、表現したり、発散させたりする方法が、時に大人からは「理解できない行動」と見られることがあります。
- こんな症状もあったら要注意
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- ・楽しい、うれしい、と思えなくなる。人との交流がいやになる。一方で孤立した感じがする。
- ・自分や他人に害がある行動だと分かっているのにやめられない。
- ・自分は必要とされていない、嫌われている、自分はだめな人間だ、など自己評価が低い。
- ・人との距離がうまくつかめない。
- これらの症状から気づかれやすい病気
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- 双極性障害、境界性人格障害 など
- 消えてしまいたい、死にたいと思う
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- この症状の傾向と解説
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「死にたい」という自殺願望を持ったことがある若者は少なくありません。死にたい気持ちをずっと抱えている場合もあれば、突発的に死を選んでしまう場合もあります。いずれにせよ、その場から消えたいくらい、大変つらい状況にいることが予想されます。また、こころの病気が「死にたい」と思わせる原因になっている場合もあります。
- こんな症状もあったら要注意
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- ・自分を責めたり、自分の存在の意味のなさを感じたりすることがよくある。
- ・全然眠れない、全然食欲がない。
- ・誰もいないのに誰かの声が聞こえる。監視されている感じがする。
- ・気持ちがとても焦ってしまい、何も手に着かない。
- ・薬物がやめられない。
- ・坂道を転げ落ちるように状況がどんどん悪くなる。
- ・毎日悪夢を見て、それが日ごとに悪くなっている。
- これらの症状から気づかれやすい病気
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- うつ病、統合失調症、薬物依存症 など
- 学校に行けない、教室には入れないなど
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- この症状の傾向と解説
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これらは、「状態」を表すものであり、病気の症状ではありません。
しかし、その状態の背景に、こころの不調が存在している可能性はあります。ストレスを強く感じる、日常生活に苦痛を感じるなどがあれば、様々な機関に相談することをおすすめします。大切なのは、クラスから少し距離を置いたからといって、本人も家族も孤立しないことです。 - こんな症状もあったら要注意
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- ・身体やこころに様々な不快な症状が現れている。
- ・人と関わりたくない、誰とも話したくない、人が怖いなどという気持ちが強い。
- ・自分を責めたり、自分の存在の意味のなさを感じたりすることがよくある。
- ・人とのコミュニケーションがうまくとれない。集団に参加するのが苦手。
- これらの症状から気づかれやすい病気
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- うつ病、統合失調症、社会不安障害、発達障害 など
- 気が滅入る、楽しくない、憂うつに感じる、いらいらする
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- この症状の傾向と解説
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誰かに冷たくされたときや、失敗したとき、落ち込んでつらい気持ちになるのは当然の反応です。しかし、気分の落ち込みが2週間以上も続くときは、ちょっと心配です。他にも、ご飯がおいしくない、人に会いたくないなどの状態が続くようであれば、こころの専門家への相談が必要かもしれません。
- こんな症状もあったら要注意
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- ・これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない。
- ・眠れない、あるいは寝過ぎる。
- ・いらいらする、怒りっぽくなる、集中力がなくなる、物事が決断できない。
- ・疲れやすく、何もやる気になれない。
- ・死にたい、消えてしまいたい、いなければよかったと思う。
- これらの症状から気づかれやすい病気
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- うつ病、躁うつ病のうつ状態、適応障害 など
うつ病は日本人の15人に1人が一生のうちにかかるという非常にありふれた病気です。
- 声が聞こえるのに誰もいない、いつも人に見られている気がする
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- この症状の傾向と解説
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これらのサインは、不安や緊張で神経が過敏になったときなどに見られる症状です。一時的な感覚の異常から見られることもありますが、それらの症状が長く続いたり、さらに、考えがまとまりづらくなって、行動や気分、人間関係に影響がでてきたりすると、「統合失調症」という病気のサインであることが考えられます。
- こんな症状もあったら要注意
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- ・他の人には聞こえない声が聞こえる。
- ・いつも人に見られている、あるいは見張られていると感じる。
- ・周りの人が自分に危害を加えようと企んでいるようで怖い。
- ・何でも自分に関係があると思える。
- ・盗聴・盗撮されていると感じる。
- ・考えがまとまらない、独り言が多くなる。
- ・意欲がなくなり無気力になり、身の回りのことに構わなくなる。
- ・いつも無表情で、喜怒哀楽がなくなる。
- ・友達や家族など人と関わることを避けて、閉じこもる。
- これらの症状から気づかれやすい病気
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※気力や感情の面から気づかれるこころの病気の例
- ・うつ病
- ・躁うつ病
- ・統合失調症
- ・強迫性障害
- 人前で緊張してうまく話せない、不安がとても強くなる
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- この症状の傾向と解説
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大勢の人の前に立つときや大事な試験のとき、緊張したり、胸がどきどきしたりするのは当たり前の反応です。通常は、徐々に慣れていくものですが、常にそういった場面に恐怖を感じていて、日常生活が普通に過ごせなくなってしまったり、自分でも大げさだな、変だな、と感じているのに不安や恐怖を抑えることが難しかったりする時は、こころの専門家への相談が必要かもしれません。
- こんな症状もあったら要注意
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- ・人に注目されることや人前で恥ずかしい思いをすることが怖い。
- ・人と話すことが苦痛。
- ・人が多くいる場所(電車やバス、繁華街やデパート)が苦痛。
- ・それらの理由でひきこもる。
- これらの症状から気づかれやすい病気
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- 社会不安障害(社交不安障害) など
- 電車や広い場所で急に苦しくなる
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- この症状の傾向と解説
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突然理由もなく激しい不安に襲われて、心臓がどきどきする、めまいがする、呼吸が苦しくなるといった状態となり、場合によっては死んでしまうのではないかという恐怖を覚えるような反応を、パニック発作と言います。また、パニック発作を繰り返す病気を「パニック障害」と言います。パニック障害になると、「また発作が起きたらどうしよう」と心配になり、人混みやエレベーターなどを避けたりするようになります。
- こんな症状もあったら要注意
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- ※パニック障害では、次のような症状が突然現れて、10分以内にピークに達します。
- ・動悸がする、心拍数が上がる。
- ・汗が出る、体が震える。
- ・胸が痛い、胸苦しさがある、吐き気。
- ・めまい、ふらつき、気が遠くなる感じ。
- ・現実でない感じ、自分が自分でない感じ、自分がコントロールできない感じ。
- ・冷たい感覚、あるいは熱い感覚がする。
- 何度も同じことを確認してしまう
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- この症状の傾向と解説
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答案用紙を何度も見直す、戸締まりを何度か確認する、などは多くの人が行うものです。
しかし、「恐怖や不安から、やらされている」と、その行為に苦痛を感じている場合や、つまらないことだと分かっているのに不安から同じことを繰り返して一つのことに時間がかかってしまい、学校や日常生活に影響が出てきている場合は、「強迫性障害」という病気が隠れているかもしれません。 - こんな症状もあったら要注意
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- ※強迫性障害には、以下のような症状が多く見られます。
- ・繰り返し手を洗い続ける。
- ・火の元や戸締まりを何度も確認する
- ・階段や電信柱など気になった数や、頭に浮かんだ数字を数え続ける。
- ・公衆電話やバスのつり革は、ばい菌が気になって触れない。
- ・左右の対称性や順序にとらわれて、物事がなかなかはかどらない。
- 食べられない、または逆に食べ過ぎてしまう
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- この症状の傾向と解説
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体重を気にして食事を減らしたり、ストレス解消のためにたくさん食べたりするのは珍しいことではありません。でも、ほとんど食べられなくなる、むちゃ食いをしてしまう、などが続くと、それは「摂食障害」のサインかもしれません。
- こんな症状もあったら要注意
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- ・肉や揚げ物、炭水化物を食べず、野菜ばかり食べるなど食事内容が偏る。
- ・十分にやせているのに満足できず、もっとやせようとする。
- ・一日に何度も体重をはかる。
- ・過剰に活動し、じっと座っていない。
- ・月経が止まる、足がむくむ、髪の毛が抜けやすい、脈拍が遅い。
- ・短時間にパンやお菓子をまとめて大量に食べる。
- ・むちゃ食いした後に自己嫌悪感がある。
- ・むちゃ食いした後で吐く、下剤や利尿剤を使って排出する。
- 食べられない、または逆に食べ過ぎてしまう
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- この症状の傾向と解説
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覚醒剤、大麻、シンナーなどのドラッグを使うことは、たった一度でも違法行為となり、「薬物乱用」です。たった1回のつもりが、気づけば習慣的に使用してしまい、やめられなくなると「薬物依存症」という病気になります。薬物そのものの害も大きいですが、使用を続けることにより人生の質を下げてしまうことこそが、依存症の怖さです。アルコール、パチンコ(ギャンブル)、たばこなども依存性があるもので、のめり込みに注意が必要です。
- こんな症状もあったら要注意
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- ・より効果が得られるようにと、薬・お酒・たばこなど(以下、薬など)の使用量が増えている。
- ・嫌なことがあったり、気持ちが落ち着かなかったりしたときにすぐに頭に薬などが浮かぶ。
- ・薬などを手に入れるために、親や友人に嘘をついたりごまかしたりする。